T-MESSAGE VOL.55

日頃は、弊社の事業に多大なるご協力を賜り、誠にありがとうございます。
「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、全くその通りの季節の移ろいとなってきました。昔の日本人の自然を観察する目の確かさには感服するばかりです。徐々に四季が分かりづらくなってきていますが、花鳥風月を愛でるこの国の文化は受け継いでいきたいものです。 さて、事業の方ですが、一進一退、全く気を抜けません。鉄骨と足場の鳶部門は今のところ好調ですが、現場所長からお叱りを頂戴している案件がいくつかあります。本来、お客様からお叱りを頂戴する前に、社内で自己チェックがなされ、自浄作用が働かなければならないのですが、それが出来ておらず、最終ラインのお客様からのご指摘となってしまっています。太陽光も遮熱も同様にお客様からのご指摘を頂いており、早急な改善が必要です。頂いたご指摘の内容を分析してみると、理由は様々あるのですが、根本にあるのは当事者の意識の低さです。なので、意識レベルの改善が必須になるのですが、世の中に改善は様々あれど、意識レベルの改善ほど難しいものはありません。当事者人一人はどうしても、自分のやり方や考え方が合っていると固く信じているからです。自分の言動の結果がお客様から注意を受けても、お客様の方が間違っているんだと考える。言う事を聞いてくれない相手がいたら、言う事を聞かない相手が悪いのであって、言う事を聞かせることができない自分に足りないところがあるとは考えない。自分にできるベストを尽くさず、最初からできない言い訳を並べて、だから出来なくても私は悪くない。悪いのは私以外の外部に原因があるのだと主張する・・・。いや、こんな考えを1mmも持っていないという人もいないでしょうが、この考え方に凝り固まっている人は次から次と問題を起こします。司馬遼太郎の「竜馬がゆく」という有名な小説にも出てきますが、竜馬が初めて勝海舟を訊ねて行った時は、竜馬は勝を暗殺しようと思って行ったそうです。しかし勝に会って話を聞くうちに勝の思いに感銘を受け、最後は弟子にしてくれと懇願したそうです。明治になってから勝本人がそう語っていますから、事実だと思いますが、竜馬の懐の深さ、スケールの大きさを象徴するエピソードに私には思えます。たとえ今の自分とは違った価値観を持つ人の話でも、まずは話を聞き、相手の思いを広く受け入れ、良き部分を己の価値観に加えていくことで、更に高みに上っていく。先月の『神は細部に宿る』、『広い知識と流されない意識』、そして広く受け入れるという意味の『寛容』という言葉を強く意識して、来月も当社が『世の中の役に立っている存在』でありたいと思います。
「仕事は明るく楽しく真剣に」 来月もまたよろしくお願い致します。

 

株式会社 藤政工業
代表取締役 藤代政宗

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